エイベックス・エンタテインメント、「ドラゴンエイジ-ブラッドメイジの聖戦-」の製作発表記者会見を開催
主演に栗山千明さん、「Dragon Age II」の序章となるフルCGアニメーション映画


12月7日開催



場所:ステリーナ教会


 エイベックス・エンタテインメント株式会社は12月7日、東京・赤坂のステリーナ教会にて映画「ドラゴンエイジ-ブラッドメイジの聖戦-」の製作発表記者会見を開催した。

【原作ゲーム開発者インタビュー】


映画のイメージ。リアルとも、カートゥーンとも違う、独特の質感のアニメーションだ
作品で重要な意味を持つ「教会」という要素から、教会でのフォトセッション
栗山千明さんは真っ赤なドレスで登場した

 「ドラゴンエイジ-ブラッドメイジの聖戦-」は米BioWareが開発したRPG「DRAGON AGE: ORIGINS」および、「Dragon Age II」を原作とした日米共同製作フルCGアニメーション映画。制作は日本のCGアニメーション制作会社のOXYBOTで、配給をTOブックスが担当する。2012年2月11日、日本全国の映画館で上映予定だ。

 本作は「Dragon Age II」に登場する女性キャラクター「カサンドラ」がヒロインとなり、「Dragon Age II」の序章といえるストーリーが展開する。監督を務めるのは、「ピンポン」や「ベクシル」などを手掛けた曽利文彦氏。本作は原作の米国の発売元である米Electronic Arts から曽利氏が直々の指名を受けて実現したという。

 映画のストーリーは 世界を統治する【教会】に仕える優秀な騎士、カサンドラ。ある夜、牢屋から連れ出される少女が、【教会】を巡る大きな陰謀の鍵となっていることを知ってしまい、“邪悪な魔法使い”(ブラッド・メイジ)の集団に襲撃されてしまう。師匠であるパイロンが身を挺して彼女を守り、カサンドラは命を取り留めるが、首謀者の正体はわからぬまま。逆に陰謀の関係者に仕立て上げられ、ナイトコマンダー率いる騎士団から追われる身となってしまう。

 カサンドラは、途中で出会った気のいい魔法使い(サークルメイジ)ガリアンと共に少女を連れて逃げることになる。父親代わりであったパイロンの命を奪ったブラッド・メイジへの憎悪をたぎらせながらも、謎の真相を追い求めるカサンドラとガリアンは、やがて【教会】の存亡を賭けた壮大な【聖戦】に身を投じることになっていく……。

 カサンドラの声優として栗山千明さん、ガリアンには谷原章介さん、ナイトコマンダーにはGacktさんを起用している。さらにGacktさんは本作の主題歌「Until The Last Day」を担当している。脚本は原作のゲームのシナリオを担当したジェフリー・スコット氏、キャラクターデザインに中山大輔氏、音楽の高橋哲也氏、サウンドデザインの笠松広司氏が参加している。

 イベントは教会を守る騎士カサンドラのイメージに合わせ、赤坂のステリーナ教会での撮影の後、近くのスタジオで記者会見となった。教会に関して栗山さんは「このスタジオの近くにかわいい教会があるのは知らなくて驚きました」とコメントした。Gacktさんは「僕は2人の前に教会を見ていたので、きっと2人は驚くだろうなと思って、撮影の時は2人を見ていました」と語った。

 今回の収録に関して栗山さんは、「私は緊張してしまって人見知りもする方なのですが、監督は本当に優しくて、演じる方の気持ちを汲んでくれる方でした。カサンドラは一見クールなんですが、内に秘めた熱があって戦いで爆発する。掛け合いの時はやりたいようにやらせてもらいました。大変だったのは、アクションの息づかいで、ブースの中で実際に体を動かして演じました。やっているうちに本当に楽しくなって、『ここはいらないかな』と言うところも、息づかいを入れたり、思い切りよくやれました」と語った。

 谷原さんは「ベクシル」でも曽利氏と仕事をしているという。「監督はアニメーションだけでなく実写も手掛けるので、キャラクターの心情などをきちんと説明してくださいます。今回は包み込んでくれるような優しさを感じました」と語った。ガリアンに関しては「カサンドラを時に引っ張り、時についていき、時にはおどけるといういくつもの表情を持ったキャラクターです。ダークファンタジーという世界で、何処までやっていいのか幅がはじめる前はわからず不安だったのですが、監督に迷いがなかったので、安心して演じました。僕は栗山さんの声を聞いて声を吹き込んだのですが、カサンドラは息づかいや気合いなどが多く、大変だなと思うのと同時に、実際そこにいるかのような実在感がありました」と語った。

 Gacktさんは「曽利監督の作品は全部見ていて、お会いするのが楽しみでした。僕のイメージする声と、監督のイメージが近く作業はとてもスムーズでした。監督の引っ張っていく力が強かったので、僕の方も色々なアプローチができました」と語った。曲に関しては「『いつかは消えてしまう命だけれども、燃え尽きるまで全うする』という映画のテーマに合わせた曲になっています。“戦う”というのは現代でも色々な形であると思うのですが、全うしてみろと言う意味を考える曲になっています」と語った。

 曽利氏は「このまま3人で1本実写も取れてしまうような気持ちで、贅沢なことをやらせていただきました。皆さんは声のお仕事もなさっているので、プロフェッショナルな仕事をしていただきました、感謝しています。アクションとドラマの両立が僕のテーマですが、今回はとってもうまくいったと思います。今まで手掛けた作品で、その両立がはじめてうまくいったと思っていますので、ぜひ見ていただきたいと思っています」と語った。

 栗山さんとカサンドラに関して曽利氏は、「お会いする前はクールなイメージを持っていたんですが、役にはぴったりだと思っていたのですが、実際にはとてもチャーミングで人間的な魅力に溢れる方で、逆にクールな部分は役に合わせて思いっきり作らせていただいた部分です。アクションは声だけでやらなくてはいけないので難しいですが、栗山さんは素晴らしかったです」と語った。監督の言葉にちょっと照れている栗山さんの表情が印象的だった。監督やキャストの力の入れようが感じられる記者発表会だった。

 最後にゲーム情報もアナウンスしておきたい。「Dragon Age II」はスパイクから2012年2月2日にプレイステーション 3/Xbox 360用が発売予定。価格は各8,379円。CEROレーティングはD(17歳以上対象)。そして第1作目の「DRAGON AGE: ORIGINS」は12月1日にPS3版「Dragon Age: Origins PlayStation 3 the Best」、Xbox 360版「Dragon Age: Origins プラチナコレクション」として、拡張パック「Dragon Age: Origins - Awakening」に加え、オンライン配信されたすべてのコンテンツが収録された完全版が発売された。CEROレーティングはD(17歳以上対象)、価格は各3,990円だ。


ガリアン役の谷原章介さん、ナイトコマンダー役のGacktさん、監督の曽利文彦氏
カサンドラ、ガリアン、ナイトコマンダー

(c)2011 Dragon Age Project. All rights reserved by FUNimation / T.O Entertainment
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(2011年 12月 7日)

[Reported by 勝田哲也]