Windows 10 ゲームマラソン

「World of Warcraft」 何年たっても色あせない魅力

最新拡張パック「Legion」発表! 作りこまれた広大な世界と丁寧な演出は王者の貫禄

【World of Warcraft】

正式サービス中

価格:
19.99ドル(ダウンロード版)

 MMORPGのデファクトスタンダードとして、今も世界中でサービスされ、多くの記録を樹立してきた米Blizzard EntertainmentのMMORPG「World of Warcraft(WoW)」。2004年に正式サービスが始まり、今年の11月でサービス開始から11年目を迎える。一時はグラフィックスなどに時代の経過を感じるようになっていたが、2010年発売の拡張パック「Cataclysm」でマップを大改編し、DirectX 11に対応。2014年11月に発売された最新の拡張パック「Warlords of Draenor」ではプレーヤーキャラクターのモデリングとグラフィックスを一新するなど、他のタイトルではなかなか真似できない規模で進化を続けている。

 さらに、つい先日ドイツで開催されたGamescomでは、6本目となる新しい拡張パック「Legion」が発表された。この拡張では、新クラス「Demon Hunter」や、新マップ「Black Isles」が追加され、さっそく話題を呼んでいる。本日の「Windows 10ゲームマラソン」は、すでに古典といえるゲームながら、いまだに時代をけん引している「World of Warcraft」をご紹介しよう。

【「World of Warcraft」新拡張パック「Legion」アナウンスメント トレーラー】
Windows 10への対応状況(7月29日現在)
動作状況★★★★★(正式対応)
メーカー対応正式対応済み
Windows 10独自機能Xbox App、Game Bar、GameDVR(ウィンドウ表示のみ)
不具合報告特になし
サポート情報World of Warcraft System Requirements

拡張パック「Warlords of Draenor」を購入すればいきなりレベル90からスタート可能

プレーヤーキャラのグラフィックスは最新拡張パックで美しく一新された
拡張パック「Warlords of Draenor」には、1キャラのみいきなりレベル90にあげられるサービスがついている
何十体ものNPCを引き連れて、レイドのような雰囲気でストーリークエストが進行する

 「WoW」タイプのMMORPGが日本でも増えてきて、本家本元である「WoW」で遊んでみたいという人も多いだろう。現在は拡張パック第5弾となる「Warlords of Draenor」のパッチ6.2「Fury of Hellfire」が6月23日に実装されたところだが、さらに8月7日には、新拡張パック「Legion」が発表された。こちらは実装日はまだ未定だが、新クラス「Demon Hunter」が追加され、レベルキャップの110までの解放や新マップ、新武器など多数の要素が発表されている。

 現在のレベルキャップは100で、現在入手できる最新の拡張パック「Warlords of Draenor」には、1キャラだけいきなりレベル90にできる特典がついている。しかし、システムの基礎を知らないままいきなり90になっても何をすればいいのかさっぱり分からないので、ある程度チュートリアルを進めたり、色々な種族やクラスをやってみてからでも遅くはない。

 「WoW」を始めるにあたって最大の障害は言語が英語であることだろう。公式には日本語でのサポートは行なわれていないが、有志が作った日本語化のアドオンを使えばクエストやツールチップを日本語にしたり、チャットで2バイト文字が入力できるようになる。「WoW」にはほかにも多様なアドオンがある。初期状態ではUIなどやや使いづらいので、Twitchの実況や動画でも、プレーヤーごとにアドオンで使いやすくカスタマイズしているのを見ることができる。

 グラフィックスについては大きなテコ入れが入ったためか、推奨環境はCore-i5 2400/AMD FX 4100以上、GeForce GTX470/Radeon HD 5870以上、メモリ4GBと意外と高めだ。しかし実際にゲームをプレイしてみると、AIで動き回る大量のNPCや、これでもかと凝った演出など、マシンパワーが必要な局面を実感できるだろう。

 Windows 10での挙動は、プレイをするだけならフルスクリーン、ウィンドウの両モードともトラブルはなかった。独自機能については、ウィンドウモードならば、Xbox App、Game Bar、GameDVRのいずれも動いたが、フルスクリーンでは動作しなかった。今のところ、公式で正式なサポートの発表は出ていないが、フォーラムでは挙動も含めて熱心な議論が交わされているので、興味があるならのぞいてみてはどうだろう。

【スクリーンショット】

Worgenの序盤ストーリーは人狼になってしまった悲劇と脱出劇

カットシーンも挟みつつストーリーが進行する
最初は人間でプレイがスタートする
カットシーン後、いきなり狼になり、処刑されそうになる。しかし理性を取り戻したことで、再び共闘することになる

 さて、「WoW」は種族ごとにスタート地点が違う。序盤のエリアではその種族ならではの旅立ちの理由となるドラマチックなストーリーを楽しむことができる。今回は、Worgenのストーリーを体験してみた。Worgenは「Cataclysm」で実装された種族。同じく後発の「Pandaren」などとともに、序盤のギミックやストーリーが非常に凝っていて、見ごたえがある。

 Worgenはもとは人間だったが、呪いを受けて人狼になってしまった人たち。NPCたちは生き生きと走り回り、プレーヤーと共に戦う。息つく暇もないシリアスな展開の中で、フライングマウントで空を飛んだり、泳いだり、馬に乗ったり、ペットと一緒に戦ったり、戦車で敵を攻撃したり、NPCを誘導したり、マップ内にあるアイテムを集めたりと「WoW」内のさまざまなフィーチャーをこれでもかと体験できる。

 また、このストーリーは「WoW」内にある「Alliance」と「Horde」という対立する2つの勢力の説明にもなっており、そのままメインストーリーへつながっていく。11ある種族は「Alliance」が5種類、「Horde」が5種類と最初から勢力が決まっているが、唯一「Pandaren」だけは中立で、どちらの陣営に所属するかは序盤のストーリーの中で決めていく。2つの価値観がぶつかるこのストーリーも、かなりプレイし応えがある。

 レベルが15になる頃にはチュートリアルが終了し、プロフェッションという生産や収集要素、クラス内で3つの異なる立ち回りができるようになるスペシャライゼーションや、キャラの個性を付けるタレントなど、キャラクター育成の選択肢がこれ以降増えていく。5人でパーティを組んで入るインスタンスダンジョンにも入れるようになる。

 長い道のりにはなるが、自分でがんばってレベル上げをしてみるという手もある。フィールドのクエストはすべてソロで進行が可能。インスタンスダンジョンは、ダンジョンファインダーというシステムで希望を出しておくと、自動的にマッチングしてくれる。

 エンドコンテンツを遊ぶためにも、まずは友達を作るのがどんなMMORPGでも最初の一歩だ。最初から日本人コミュニティを目指すのもいいが、「WoW」は英語圏以外の外国人も多数遊んでいるので、英語が苦手だと臆さずにどんどん話かけていけば、多くの人はきちんと答えてくる。せっかく高いハードルを超えて乗り込むのだから、あと少し勇気を出してチャットしてみるといいだろう。

【スクリーンショット】

(石井聡)